マスログ

2020/02/21

コロナウイルスの地域別・年齢別の危険性を数字で分析してみた【2020年3月2日最新版】

「最近一番怖いものといえば?」

と質問すると、ほぼ必ず「コロナウイルス!!」という声が返ってきています。
コロナウイルスといっても実は種類があり、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などもその一つです。今回の中国武漢の原因不明の高熱・肺炎から始まった「新型コロナウイルス(Novel Coronavirus:nCoV)」の世界的混乱は大いなる恐怖を我々にもたらしています。
しかし、本当は「コロナウイルス」の何が怖いのか。
どのくらい怖いのか。

数字で今わかっていることを観察していきたいと思います。
公表されている数字から分析しており、できる限り最新の情報を扱っています。特に参考リンクは非常に有用で参考になるものばかりです。最下部に掲載していますのでぜひご覧ください。 

■ウイルスはそもそも怖い

さて、まずはインフルエンザの感染者数のクイズです。

【問題】毎年インフルエンザに感染している人は国内何人いるでしょう。

1.10万人?
2.100万人?
3.1000万人?

弊社では定期的にセミナーを開催しておりますが、参加者にアンケートをとってみると、10万人?とか100万人?という人が大半です。

しかし、正解は3の1000万人(※2)です。

繰り返しますが、インフルエンザの感染者数はなんと毎年1000万人です。
日本人の約12人に1人くらい感染しています。

ちなみに100万人だと、120人に一人となり、身の回りの人でもインフルエンザにかかる人は1人か2人かそのくらいの規模になりますので比較的珍しい印象かもしれません。(ちなみに私の担当の個別指導のお客様で毎年インフルエンザにかかるという方もいますが・・・。)

これ、セミナーでお話すると、びっくりしない人はいません。
真実なのに、知らない数字です。

そして、同じくらい知られていないのが、インフルエンザで毎年1万人ほど亡くなっているということ。(※2)(直接的及び間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡を推計する超過死亡概念で国内約1万人と推定されています)

これはまさに大問題です。インフルエンザに感染した人の0.1%に相当します。
しかし、そこまで大問題だと思っていない人も多いはず。

理由は3つ。

・感染したときにどんな症状か具体的にわかっている
・身の回りで頻繁に、しかも毎年起きている
・意外と死亡率が高くないというイメージがある(※4)

 

以上のような状況からでしょうか。

統計教室和(なごみ)」では情報を読み解くために必要な「計算力」から簡単に学べる無料の数字トレーニング体験セミナーを行っています。お気軽にお越しください。

 

■今流行のコロナウイルスの感染者数はどのくらいか?

3月1日時点で、日本国内ですと、239名のコロナウイルス感染者、うち5名の死亡者ということで2.1%の死亡率となり、高いように見えますが、本当に高いのか。感染者数は正確な数値なのか。妥当性のある判定はなかなか難しそうです。(クルーズ船の乗車客は含めておりません。厚生労働省のWEBによると、WHOの各国の発生状況の報告において、日本国内の発生件数とは別個(その他)の件数(※6)として取り扱われているようで、この記事でも別に取り扱います。クルーズ船客だけで2月26日現在で705名の陽性反応があります。)

そこで、世界の感染者数を見てみると、WHOの3月1日発表の資料(※3)によると、中国以外の世界の感染者数は、25か国で7169人、104人の死亡が確認されているようです。つまり、死亡率は1.5%。少し下がる結果です。

実は、死亡者のほとんどが湖北省での患者で、2761名。全体の死亡者が2977名ですから、約93%にもなり、湖北省単体での死亡率は約4.4%。23人に一人が亡くなるという大きな死亡率といえます・・・。

湖北省以外での中国国内のデータで見てみると、13061名が感染し、112名が死亡しています。死亡率が0.9%まで下がります。

確定的なことは言えませんしわかりませんが、「80%が軽い症状」という報道もあり、今発表されている死亡率は正確ではないのかもしれません。軽い症状の方は感染とカウントされていない可能性もあるようです。

地方別コロナウイルスによる死亡率

上記についてまとめます。

・湖北省のみ  4.4% (約23人に1人)
・中国(湖北省以外)  0.9% (約110人に1人)
・中国以外世界  1.5% (約70人に1人)
・日本のみ  2.1%

となっています。 

■あなたの年齢で亡くなる確率は?

中国疾病対策予防センターのデータ(※5)によると、コロナウイルス感染からの死亡率は、

・60代 3.6%(約27人に1人)
・70代 8.0%(約12人に1人)
・80代以上 14.8%(約7人に一人)

となっており非常に高い確率となっていますが、

・20代 0.2%
・30代 0.2%
・40代 0.4%

0.2%は、500人に1人ですし、0.4%は250人に1人です。 コロナウイルスによる死亡率のグラフは以下です。

(※5よりサイトより引用)

若い方であれば、ほぼほぼ多くの人が助かる計算です。このような傾向は季節性のインフルエンザでも同じ傾向で、突出して高齢の方の死亡率が異常に高くなり、若い方の死亡率は低くなります。(もちろんリスクは0ではありません。)。しかも、上記のようにこれは湖北省のデータが含まれており、死亡率を高く見積もりすぎているかもしれないという可能性も加味してみると、もっと死亡率が低くなる可能性も十分あります。

そう考えると、特にコロナウイルス感染から注意したいのは、若い方でも体力のない方・基礎疾患のある方、50~60代以上の方と考えられるのではないでしょうか。

■まとめると

現状、コロナウィルスでの死亡者は日本で5名です。(※1)
インフルエンザは毎年1万人に比べると、約2000分の1となっており、まだ罹患からの死亡の規模は小さいといえるのではないでしょうか。

日々仕事したり、日常生活を歩んでいると様々なリスクがありますが、それらに一つまたリスクが増えた、という形と見れます。

もちろん、指数関数的に増加するのがこれらのウイルス蔓延の特徴であるため今後の動向に注意が必要ですが、咳やくしゃみなどによる飛沫感染・エアロゾル感染と主な感染経路も確認されているようですので、落ち着いて日々のマスク・手洗いうがいの徹底など、過剰にならず対応していくのが重要だと考えられます。

日を追うごとに加熱するマスコミ報道、危険性を訴え続けるニュースを見ていると「怖いからトイレットペーパーをたくさん買おう。」「引きこもって食料品をたくさん買おう」と不安になってしまいがちですが、誰かから始まった恐怖の連鎖は、買い占めによる「日用品や食料品が買えないこと」などのまた違った恐怖を生み出してしまいます。それらを冷静に受け止めつつ、インフルエンザや交通事故等の様々なリスクにも備えられれば良いかと思います。

改めて、新型コロナウイルス(Novel Coronavirus:nCoV)がなぜこれほどまでに怖そうに見えるのか3つの理由をまとめます。

・治療法や特効薬が特にない
・人類初めての新型ウイルスで世界中に指数関数的に広まった
・死亡率が高そうというイメージがある

 

さらに今回はメディアの連日の報道が我々のネガティブな感情を揺さぶるように拍車をかけていますよね。

以上、今回は数を比較して「何が」「どのくらい」かをお伝えしました。

【3月2日追加記事】約3週間前の2月7日の記事では、湖北省以外のところでの世界の死亡率は、0.17%という死亡率(※4)でしたが、やはり期間がたつにつれ、死亡率がその4~5倍に上がってきているところなどは、とても気になるところではあります。これが未知なるウイルスの怖いところです。死亡率は一見高いように見えますが、そもそもの正確な感染者数が出ていないということなので、よくわからない数字があるときには、半分信用して半分は疑うことは大切です。死亡者の「量」はほぼ正しい事実です。冷静に数字を見ることが大切です。

<文/堀口智之>

 

【第二弾の記事はこちら】

体調が悪くなった時コロナウイルスに感染している確率を計算してみた(確率的思考入門)

統計教室和(なごみ)」では上記のようなニュースや情報の分解を通して、数字の苦手な方が数字に強くなる方法をお伝えするセミナーを行っています。ご興味がある方はまずは数字トレーニング体験セミナー

■参考リンク

こちらのリンクはどれも参考になると思いますのでぜひご参考ください。

(1)新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年3月1日版)

(2)新型インフルエンザに関するQ&A(厚生労働省)

(3)Coronavirus disease 2019 (COVID-19) Situation Report – 41(WHO)

(4)2月7日_新型肺炎 致死率、武漢だけ突出 中国、湖北省除けば0.17% インフルの倍程度(東京新聞)

(5)Coronavirus: Largest study suggests elderly and sick are most at risk(BBC)

(6)横浜港で検疫中のクルーズ船内で確認された新型コロナウイルス感染症について(2月26日公表分)-厚生労働省

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